相槌とうなずき

イギリス人の友人とのおしゃべりが、とても心地よい。

「私って相当英語が上手なんじゃないの?」と勘違いするくらい、スムースに会話ができる。

でも実は、私の英語力ではなく、彼女の「日本人らしさ」の上に成り立っている「楽しい会話」なのだ。

日本に来て3年が過ぎ、日本人の英語にすっかり慣れている彼女は、私の話にうなずき、「right(そうかぁ)」、「I know(そうよね)」と、実にタイミングよく言ってくれる。

そう、彼女が入れてくれる絶妙な合いの手が「会話がスムース」と感じる要因だったのだ。

以前アメリカに留学していたとき、私は相手の「聞く態度」にとまどった。

彼女たちは、私の話を、じっと目を見つめながら黙って聞く。

私は「わかってくれてるのかな?」と不安な気持ちでいた。

話が全て終わってから、「そう、あなたの言いたいことは『~』ね」と言われ、ちゃんと聞いていてくれたのだと理解できたのだが、なんとも心地の悪い時間だった。

日本では、「うん、うん」、「そうよねぇ」など、話の間に合いの手を入れるのがおしゃべりの常識だ。

ところが欧米ではじっと聞くのが「人の話を聞いている」証拠になる。

テレビで日本人が英語でインタビューをするのを聞いていて、「U-ha(えぇ)」、「Yah(はい)」と入れる合いの手やうなずきに違和感を覚えるのは、きっとこのせいなのだろう。

このことを前述のイギリス人の友人に話してみた。

彼女は「わが意を得たり」という感じで「そうなのよ~! イギリスに帰ったとき、友達に『あんた変よ』って言われたの!」と言った。

合いの手を入れるのを止められなかったらしい。

こんなところにも違いがあるのだと気づき、顔を見合わせて笑った。

そして、その違いを認められたことで、互いの距離がまた近づいたように感じた。

(M.O)