Taxi Mom

I'm Taxi Mom」

「Me too!」(お互いやれやれといった表情)

こんな会話がお母さん同士でよくかわされる。

この「Taxi Mom」という言葉。造語であるが、子どもの送り迎えで、毎日あちらこちらに車を走らせなければならないお母さんを指して言う。

交通手段はほとんどが自家用車、というアメリカならではの言葉であろう。

私が住んでいたミシガン州でも、公共交通機関があるのは、ほんとうに中心地だけか、または長距離の移動のみ。

車がない家は皆無に等しく、高校生になれば自分の車で学校に通う生徒も多く、一家に2台以上はざらである。

学校へはスクールバスで家から学校までの送迎があるのが普通で、子どもが一人で移動することはありえないといっていいだろう。

そうなると、習い事や友達の家に遊びに行く、ちょっと買い物にいくという場合はすべて親の車でしか移動する手段はない。

こどもが一人ならばいいが、2人や3人ともなると、スイミング、体操教室、友人の家に遊びに行く子の送り迎えなどで、同じ日に4回5回と車を出すことがしょっちゅうある。

スケジュールとにらめっこで、長女をスイミングスクールに送り、その間に次女を体操教室に連れて行く、そのあと遊びに行っていた末っ子を友人宅に迎えに行って、体操教室に戻り・・・

そこでお母さん仲間に会って交わされる会話が、冒頭の一文である。

おしゃべりをしたいけれど、今日は「Taxi Mom」なの。

だからもういかなくっちゃ・・のような具合。

この状態は子どもが自分の車を持つまでは続くわけで、「Taxi Mom」のロゴが入ったTシャツや靴下まで売っているほどだ。

大変だけれど、子どもとのコミュニケーションを図るのにはいい機会である。

特に会話がすくなくなるティーンエイジャーとは車での移動の時間がとても重要なのだとほとんどのお母さんたちは言っている。

また親たちを怒らせたら、どこにも行かれないということを子どもたちもわかっているので、「部屋を片付けないと、今週末モール(ショッピングセンター」に は連れて行かないわよ!」と躾のための交換条件につかうことも度々・・・大変だけれども、親子の濃密な時間をすごせる車の移動。

今となっては懐かしい思い出である。

(M.S)